「お嬢さん、どこから来たの?」

20歳になりたての、夏。
語学学校からの課題をしていた真っ最中、
突然声をかけられた。

ぱっと顔をあげると、
そこには優しい笑顔の、イギリス人のおじいさん。

その人が、わたしに名前を好きにならせてくれました。

それまでのわたしは、
自分の人生を悲観して、
自分自身を否定して、
自分のことが受け入れられなくて、
自分のことも、自分の人生も、大嫌いでした。

「ゆか」という名前はどこにでもあるし、
普通が大嫌いだったわたしは、
名前までも、大嫌いでした。

だから、
音楽をやっていたときは
芸名を使っていたし、

留学中も、
本当はイングリッシュネームを
つけたいと思っていた。

「日本人です」
「そうかそうか。お名前は?」

一瞬、名乗るのを戸惑ったのも、
今でも覚えています。

発音悪くて、
よくYokoと間違えられてたし。笑

だけどね、そのおじいさんは、
名乗ったときにはじめての反応をくれたんです。

「…ゆかです」
「おお!なんて素敵な名前なんだ!
それは私の好きな花の名前だよ」

そうして、綴りまで教えてくれた。

Yucca

ちゃんと発音すると、
「ユ」と「ヤ」の間の発音で、
間に一瞬「っ」も入る。

日本語表記だと、
ヤッカとか、ユッカになるんですが、
正式な発音だと「ユカ」が一番ちかい。

そのカフェは本屋さんと併設で、
わたしが知らない花だと言ったら
すぐに図鑑をもってきてくれた。

日本語の正式名称だと
ユッカ蘭という花。

わたしはこの時はじめて、
自分の名前が花の名前だと知ったんです。

すっごくすっごく嬉しくて。

そうしたらね、
はじめて、自分の名前が好きになったの。

何度も何度も、
この花を眺めたりして。

嬉しくって、
周りの人にもたくさん自慢したな。

それから、わたしは英語表記の
自分の名前をYuccaと綴るようになり、
日本だと「ユッカ」って
言われちゃうから
Yucaと綴るようになったのでした。

たぶん、わたしが、わたしのことを
好きになれるようになったのは、
このできごとが
きっかけなんじゃないかなーと
最近思い返してみて思うのです。

あとは、
名前を呼んでもらえるって言うのも、
大事な要素だと思う。

日本にいたときは
本当に友達がいなくて。笑
基本的には名字&さん付で呼ばれてた。

イギリスに行って、
名前で呼ばれるようになったのも、
自己肯定の一種の役割を
果たしていたんじゃないかな。

だから、
日本人より外国の方の方が
自己肯定度が高いんじゃないかな。

自分の名前が好きになってから、
少しずつ少しずつ、
自分のことも受け入れられるようになった。

もし、もしね。
あなたが、自分の名前が
嫌いだという理由で
ビジネスネームを付けているのだとしたら。

そのどこかに、少しでいいから、
自分の名前を入れてみてください。

発音だけでもいいし、
一字だけでもいい。

名前を呼ばれるようになるだけで
自分を受け入れられるようになるから。

自分を受け入れられるようになったら、
ビジネスは、とっても大きく、飛躍していくから。

松浦ゆか



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